悠久の絃

そんな話をしていると、悠先生が帰ってきた。


赤城「なになに〜？楽しい話でもしてたの？」


「夏くんと話してたの。悠先生のこと色々。」


赤城「え？僕の話？夏、何か変なこと吹き込んでないよね？」


慈良「さあ、どうだろうね。」


2人の会話を聞いていると自然と笑みがこぼれる。
テレビでよく見る『仲良し』って感じ。


赤城「ふふっ。まあいっか。いとちゃんも笑ってくれたことだし。
じゃあ、ちょっとお話聞いてね。
いとちゃんには喘息っていう病気があるんだけど、その話覚えてる？」


意識を飛ばす前、なんとなくそんな話を聞いた気がするから、とりあえず頷いた。


赤城「その喘息っていうのはね、何かが原因で気管支ってところが狭くなっちゃって呼吸が苦しくなったり、咳が止まらなくなったりするんだ。

多分、何度かそういうことあったでしょ？今のところいとちゃんにアレルギーはないから、ストレスが原因だと思う。

喘息はね、基本的にはステロイドっていうお薬を吸って治すんだ。初めは苦しいかもしれないけど、慣れてくるとスムーズにできるようになるからね。

ものは試しだし、早速やってみようか。夏、車椅子持ってきて。」


慈良「はい。」


「いまから、やるの？」


赤城「そうだよ。あ、さっきのなにか質問ある？」


「悠先生が治してくれるの？」


赤城「うーん。実際は僕よりも後で紹介する椎名先生と瀬堂先生の方が治療する機会は多いかな。いとちゃんが慣れてきたら僕がやるよ。」


椎名先生と瀬堂先生か。誰だろう。悠先生が良かったな。