悠久の絃
自動ドアを通って受付をして、案内された部屋で待っていた。


スタッフ「葉末(ハズエ)さん。お孫さんが来てくれましたよ。」


ドアが開き、おばあちゃんの姿を見た瞬間、涙が溢れた。


「おばあちゃん!」


駆け寄りたかった。でも、それは悠先生に阻まれて、悠先生と一緒に、ゆっくり、歩み寄った。


葉末「絃。ほんとに絃なのかい?大きくなったねぇ。」


おばあちゃんも涙を流している。



葉末「そちらの男性は?」


赤城「早瀬葉末(ハヤセハズエ)さんですね。いとちゃんの保護者になりました。赤城悠です。」


葉末「あなたが悠さんなのね。話で聞いてたわ。私はもう絃とは暮らせないけど、絃のことをよろしくね。」


「え、、?悠先生、おばあちゃんとは一緒に暮らせないの?」


「うん。ごめんね、これは警察の人とのお約束なんだ。」


「、、、、そうなんだ。
あ、でもね、おばあちゃん。お父さんとおばあちゃんの本は全部もらえたんだ!大切に読むね。」


葉末「絃は、ほんとに本が好きなんだねぇ。」


「うん!」




それから、おばあちゃんと色んな話をした。
おばあちゃんと離れ離れになった3ヶ月の穴を埋めるわけじゃないけど、時間が許す限り、ずっとお話した。

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