悠久の絃
ポーンと音がして扉が開いた。
さっきまでいた小児とは打って変わってカラフルではなく白で統一されている。

なんか怖い。

夏くんがそれを悟ったように怖い?と聞いてきた。



私が頷くと、


赤城「大丈夫。もうすぐ椎名先生と瀬堂先生来るからね。」


といって、悠先生が肩に手を置いてくれた。

その手はすごく暖かかった。





しばらく待っていると、椎名先生と瀬堂先生らしき人達が前から歩いてきた。


??「こんにちは。よく来たね。僕は瀬堂唯弦(セドウ ユヅル)です。椎名先生の指導医だから、今日と椎名先生がお休みの日は僕が絃ちゃんの治療をするね。基本は椎名先生だから時々しか会えないかもしれないけどよろしくね。」


瀬堂先生が自己紹介をしてくれた。身長が高くて優しそうな面持ち。纏ってるオーラがふわふわしている。


??「俺は椎名(シイナ)。基本的には俺が治療するから。慣れたら赤城にもやってもらうけど、検診とかは俺がやる。名前は別に覚えなくてもいいから。」


椎名先生。なんか、怖い。瀬堂先生と同じ位の身長だけど怖い。この人が治療してくれるんだよね?怖すぎ。


赤城「ふふっ。椎名の自己紹介でいとちゃん怖がってるじゃん。大丈夫だよ。ちゃんと治療してくれるから。ちなみに僕と椎名先生は同い年なんだ。」


悠先生が声をかけてくれて少し緊張がほぐれる。


瀬堂「じゃあ、吸入室行こうか。」

瀬堂先生が声をかけて、悠先生がまた車椅子を押してくれた。





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