悠久の絃
椎名先生は次の日も、その次の日も、もくもくのために部屋に来た。
何日も、ずっと。



椎名「今日は吸入室行ってみるか。リハビリがてら。」


「え、、いやです、、」


椎名「さすがに一日中ベッドの上だと体力落ちるからさ。」



椎名先生に手を引かれてエレベーターに乗り、吸入室の前まで来てしまった。


椎名「ん?入んなよ。」

フルフル


「や、だ、、」


椎名「昨日も一昨日も上手に出来てたじゃん。何が嫌なの?」


「苦しいから、いやです。」


椎名「発作が起きる方が苦しいだろ。ほら、入るぞ。」








機械の前に座らされ、白い煙が出てくる。

椎名「ちゃんと吸って。」

無理、苦しい、




「ケホケホ、、ゲホッ、、ゴホッゴホッ」




苦しすぎて、思わず顔を機械から背けてしまった。

椎名「どうした?発作出てないだろ。吸って。」


フルフル


「ゲホッゲホッ、、、はあ、はぁ、、、ゃだ、、」


椎名「もう半分切ってんだ。あと少しだよ。」






そうして無理やり煙を吸わされ、今までで一番疲れたもくもくになった。



椎名先生は毎日もくもくのために来る。
でも、苦しすぎて、ここ3日くらいは途中で終わっている。












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