悠久の絃
椎名「まだ始めたばかりだぞ。今日はまだそんなに苦しくなってないだろ。」


椎名先生、ちょっと怒ってる、、?

いつにも増して声が冷たく乾いている。




やだ。やだ。無理。もう、嫌。





「はぁはぁ、、や、だ、、、もう、やらない、、やだ、、




はぁはぁ、、、、ゲホッ、ゴホッゴホッ、、、はぁ、はっ、」





や、まっ、て、くるし、、、しぃ、、な、せんせ、、


椎名「———け。———か?」


椎名先生は何か言っているけど、聞こえない。



「はぁ、はぁ、、ゲホッ、、はっ、、」


口にハンカチが当てられ、ゆっくりと背中をさすられていると不思議と呼吸が戻ってきた。



椎名「俺の声聞こえる?わかる?」

コクッ

椎名「聴くからちょっと待って。」

そう言って、もしもしし始めた。



苦しかった。なんでこんなに苦しくなっちゃうの。でも、喘息、、ではないよね。咳はあんまり出なかったし、椎名先生も吸入器使ってなかったし。



もしもしの間ずっと考えていると、椎名先生がいいよ、と言った。


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