悠久の絃
リビングに戻って母さんと食器を片付けていると、姉ちゃんに話しかけられた。


綾「そういえば、悠、部屋決めたの?」


「うん。去年できたとこ。病院からも学校からも近いし、呼んだらみんなすぐに集まれるから。」




僕が今住んでいるマンションは研修医や、派遣の事務さん、交換留学生など、入れ替わりが激しい人が住む専用のマンション。

僕は4月から研修医じゃなくて勤務医だから、引っ越さなきゃ行けない。

次のマンションも病院の持っているものだし、家賃などの待遇もある。

何より近いのが1番の決め手。


綾「決まったなら良かった。律兄にも言っておきなよ。いつ来るかわかんないんだから。」


「うん。3月に引っ越すからその時言っとく。」


いとちゃんにも言わなきゃ。

引越しもそうだけど、その後はさらに忙しくなる。
















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