悠久の絃
それでも、僕は彼女を引き取る。


僕が引き取って、彼女を育てる。


誰なのか、何なのか分からないが、僕が彼女を引き取らなくてはならないと言っている。


これは、使命なのだと直感的に感じた。

少し、良いですか?と声が聞こえ、声の方向に目を向けると椎名が手を挙げていた。全員の視線が椎名に集まった。


椎名「お前はまず、来年の研修会に行ってこい。お前がいない1ヶ月間は俺、絢杜、瑛杜、夏、もし協力して頂けるのであれば夜星先生、瀬堂先生、上宮先生達で早瀬絃のことを診る。
俺はお前が引き取ることに賛成だ。この一週間で1番信頼関係を築けているのはお前だからな。お前しかいない。

院長先生、とりあえず来年の研修会に行かせている間は私たちが交代しながら早瀬絃を診るのはどうでしょう。これは来年までに私たちが信頼関係を築くことが出来るというのが前提ですが。

そして、5年後のアメリカ交換留学は、早瀬絃も一緒に行くというのはどうでしょう。」


会議室がまた、一瞬だけ、騒がしくなった。
一緒に行くと言ったのか?

椎名は気にせず続けた。



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