悠久の絃
〜赤城side〜

会議が終わって病室に入ると、いとちゃんは多数の管に繋がれていた。
それなりの発作だったのがわかる、やらなければならない処置なのはわかる。


でも、胸が痛かった。痛くて、痛くて、本当に苦しかった。

病院実習の時から同じような患者さんを何度も見てきたけど、こんなに苦しくなるのは
初めてだった。


今朝の吸入も無理矢理進めてしまった。
思い出すと本当に胸が痛い。

いとちゃんの目が覚めたら次はお腹の治療。いとちゃんも、僕も耐えられないかもしれない。



「あの、」

必死で出した声が震えた。


瀬堂「ん?どうした?」


「お腹の、膣の治療法は本当にあれしかないんですか?」


上宮「そうだな。産婦人科の先生にさっき連絡したから、あと1時間くらいで来てくれる。その時もう一度確認しよう。
とりあえず夕方の回診に行ってきなよ。」


上宮先生に言われ、僕と夜星先生と瀬堂先生は受け持ちの患者さんの回診に向かった。



最後にいとちゃんの病室に入った。
まだ目は覚めない。
酸素はだいぶ回復し、97%まで上がった。心電図もモニターも異常は見られない。
しかし抜管はまだできない。今晩様子を見て明日抜管することになった。












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