悠久の絃
コンコンコンっとドアが叩かれる音がした。


上宮「絃ちゃん、目、覚めた?」


入ってきたのは上宮先生だと思う。顔を見れないから確証は無い。私に近づきながら悠先生に聞いている。


赤城「はい。いまさっき目が覚めました。早く抜管して欲しいそうです。」


上宮「そっかそっか。おはよ、絃ちゃん。ごめんな〜まだ管抜けないんだ。ちょっと診察させてな。」



顔を覗き込みながら、目を合わせて話してきたのは上宮先生だった。


上宮先生は素早い手つきでもしもしを始めた。


変な管のせいで呼吸が苦しい。早く取って欲しい。
管に右手を伸ばして取ろうとするけどあっさり悠先生に捕まった。


赤城「明日、取ってあげるから今日は頑張って。」


一通りもしもしを終えた上宮先生はまた私に目を合わせた。



上宮「だいぶ良くなってきてる。熱も下がってるしね。数時間でここまで回復するのは凄いよ。
この管、今取っていいか瀬堂先生に聞いてくるね。」


そう言って上宮先生は部屋を出ていった。


そしたらまた悠先生が手を繋いでくれた。


赤城「よかったね。もしかしたら管抜けるかもね。」








< 43 / 315 >

この作品をシェア

pagetop