悠久の絃
〜赤城side〜

いとちゃんが眠りについたのを確認して、3人で部屋を出た。

向かったのは医局の休憩室。
各々自販機で飲み物を買って椅子に座った。


上宮「悠、帰らなくて平気か?今日も院長と会って最終決定だろ?」


「はい。これ飲んだら帰ろうと思います。」


と言って僕はカフェラテのプルタブを開けた。


瀬堂「長かった1日がようやく終わりましたね。」


上宮「そうだな。それにしても、彼女の回復スピードにびっくりだよ。」


瀬堂「ですね〜これなら2ヶ月ちょいで退院出来る気がします。様子を見て夏休み明けからの登校も可能かと。」


上宮「早く中等部の黒いブレザーが見たいな。
吸入と、お腹の治療、どっちもハードだけどパパっと終わらせて青春して欲しいよ。」


瀬堂「中等部が黒で高等部が白でしたね、ブレザー。
吸入はかなり嫌がられてますけど、頑張れてるんですよね。でも今日は泣かれちゃうかな〜笑」


「泣いてもちゃんと連れて行きますよ。でも、泣かれるとちょっと身を引いちゃいますけど。」



上宮「絃ちゃん可愛いもんな。」


上宮先生の呟きに思わず吹き出しそうになる。


「ちょっ!何言ってるんですか!」


上宮「事実だろ〜それに、赤城くんはこれから絃ちゃんと暮らすわけだし。大丈夫、俺は喰わないよ。」


瀬堂「はいはい、上宮先生もかわいいかわいい赤城先生をからかわないでください。
赤城先生も、明日日勤でしょ?僕達は今日当直だから帰れないけど、赤城先生はもう帰りな。」


「はい。」


と言ってカフェオレを飲み干し、休憩室を出て帰宅準備をする。

じゃあまた明日、と言って解散した。

上宮先生は救急に帰るついでだからといって職員出口まで送ってくれた。


上宮「おつかれ。あんま無理するなよ。お腹の治療、無理そうだったら入らなくてもいいからな。」


「大丈夫です。白衣を着ているうちは悠先生という医師なので。」


上宮「そうか。じゃあな。」


「はい。お先失礼します。」


僕は帰路についた。











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