悠久の絃
夢で見たあのお兄ちゃん達、誰かに似ている気がする。
もう、お父さんとお母さんは会えないけど、お兄ちゃん達に会えるならもう一度会いたい。

私、これからどうなるんだろう。

退院しても家に帰れないんだよね。

おばあちゃんにはどうやったら会えるんだろう。

学校には行けるのかな。

友達ってどうやったらできるのかな。

勉強って大変って言われてるけど、実際はどうなんだろう。

テレビを見たり、お父さんの本を読んだりしてある程度の文字は読めるし書ける。

それでもやっぱり勉強は難しいのかな。




色々なことを考えていると後ろから声をかけられた。


瀬堂「おはよう。ここで何してるの?」


振り向くと瀬堂先生がいた。


「おはようございます。早く目が覚めちゃったので散歩して考え事してました。」


瀬堂先生はゆっくり私に近づいて着ていた白衣をかけてくれた。


< 51 / 315 >

この作品をシェア

pagetop