悠久の絃
しばらく悠先生が置いといてくれた本を読んでいると扉がノックされた。時計を見るともう8時過ぎだった。


夜星「おはよう。昨日はよく眠れた?」


部屋に入ってきたのは夜星先生と夏くんだった。悠先生がいない。悠先生は今日お休みなのかな。悠先生に話したいこといっぱいあるのに。

気づけば悠先生のことばかり考えてしまう。


夜星「おーい。昨日は寝れたの?」


ハッとして顔を上げた。そういえば今からもしもしするんだった。


「はい。寝れました。」


夜星「じゃあもしもしさせて。」


夜星先生がそう言うと夏くんが後ろからシャツを捲った。
何かが胸に当たって一瞬ビクッとする。

もしもしが終わると目の下をめくられたり、首を触られる。


夜星「朝、いなくなったんだって?」



「いなくなったんじゃないです。散歩して、考え事して、瀬堂先生と話してただけです。」


夜星「歩けたの?」


「歩けました!」


夜星「瀬堂先生はなんて言ってた?」


「私が考え事してるって言ったら何考えてたの?って言ってました。」


夜星「わかった。とりあえず今日は安静にしてて。それと、何かあった時はこのナースコールを押して。」


「わかりました。」


夜星「じゃあまた後で来るから。」



そう言って夜星先生と夏くんは部屋を出ていった。

私はもう一度本を手に取って読み始めた。









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