悠久の絃
夜星「お疲れ様。これで研修医は全員戻ってきたね。もう帰りなよ。」


「はい。いとちゃん、どうでした?」


夜星「少し話したけど、昔遊んでたお兄ちゃんが俺だってことは気づかなかったね。その後の吸入は上手だったよ。椎名先生のサポートも少しあったけど、止まらずに10分出来てたよ。

お腹の治療は予定通り明日やるから。ただ、今日の新規入院が23人。ほぼ満床になったのと、俺の担当が増えた。だから、もしかしたら明日俺は治療に入れないかもしれない。その時は赤城先生、よろしくね。」



そうか。もし明日夜星先生の担当患者さんに急変が起こったら、いとちゃんの治療は僕と上宮先生と鶴川先生の3人。怖い。さっき覚悟を決めたのに、やっぱり怖い。
明日までに気持ちを切り替えよう。


「はい。頑張ります。」


夜星「よし、じゃあ今日はもう帰りな。」


「はい。お先失礼します。」



ロッカーで着替えて職員玄関へ行った。
もう既に上宮先生がいた。


「お待たせしてすみません。」


上宮「いいよ。行こうか。」


タイムカードを押して、上宮先生の車がある地下駐車場へ向かった。

そのままマンションまで送ってもらい、ありがとうございました。とお礼を言って見送る。











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