悠久の絃

夜星「帰りたいか。そうだよな。でも、、、でもな、これから言うことは事実なんだ。ちゃんと聞いて、受け止めて欲しい。

君はね……




俺達はいつでも君を全力で支えるから。」




君はね、もうあの家には帰らない。

厳密に言えば帰れない。君が倒れて見つかった時、警察が君の家を訪ねたり君のことを捜査したんだ。そこから、君が君の祖母の介護をしていることがわかった。学校にも行けずにね。

世間ではそれをヤングケアラーと呼ぶ。君のおばあちゃんは老人ホームに入ることになった。この病院からそう遠くない。いつでも会いに行ける。だから、大丈夫。


今までよく頑張ったね。偉かった。これからは今まで頑張った分たくさん甘えなさい。
でも、君は君の病気を治さなきゃいけないから2、3ヶ月は入院することになる。退院後の生活はその間に考えよう。

まだまだ俺たちが話すことはいっぱいある。たくさん話そう。たくさん教えるから。俺達は、いつでも君を全力で支えるから。









え？

帰れないの？

少なくとも2ヶ月は帰れないの？

そんなことってありなの？


やっと死ねると思ったのに、病院なんかに連れてこられて。目が覚めたら、私が入院だとか、私はもう家に帰れないだとか、おばあちゃんは老人ホームに入るとか。

何も知らないくせに頑張ったとか、偉いとか、甘えろとか、なんなの？


そんなの、、、、、、そんなのってないでしょ。