悠久の絃
~赤城side~

椎名「あ、寝た。」


「ほんとだ。薬が効いてきたみたいだね。」


椎名「じゃあ戻るか。もう夜星先生は来たのか?」


「うん。もういる。」


椎名「報告しなきゃな。」


「うん。行こうか。」










in医局

椎名「夜星先生。お疲れ様です。」


夜星「椎名先生!絃ちゃん、どう?やっぱしんどそう?」


椎名「はい。でも、今は吐き気止めが効いてるみたいで寝ています。
ただ、昨日のが完全にトラウマになってるみたいです。悠ですら同じ部屋にいるだけで過呼吸が起きてます。
少し話を聞いてみたんですけど、昨日治療に参加した4人は完全にシャットアウトです。」


夜星「想像以上だ。赤城先生なら大丈夫だと思ってたんだけどな。
赤城先生、朝少し会ったんだよね?どうだった?」


「僕が部屋に入って少し近づいただけで過呼吸になりました。発作が起きそうだったので、少し体に触れたら、嘔吐です。処置室に行くまでにも1回戻しちゃったので今日は白衣無しです。」


夜星「ああ。だからなのね。」


「処置室でも聴診させてくれなくて、1回落ち着かせようと思って吸入しようとしたら腕を払われて出来ませんでした。ちょうどそのタイミングで椎名が来てくれたので発作は大きくなる前に治まりました。」


夜星「なるほどね。わかった。上宮先輩と鶴川先生に伝えておく。
それと、唯弦に少し頼んでみる。あいつは話上手だから多少は良くなるかもしれない。
椎名先生、唯弦は会っても大丈夫そう?」


椎名「はい。瀬堂先生、夏、佐々木さん、絢杜と瑛杜も大丈夫そうです。悠、凑は来た?」


「うん。呼んだら5分で来た。」


椎名「じゃあこのこと伝えておいて。
この6人は大丈夫です。」


夜星「そこまで聞いてくれたのね。ありがとう。」


椎名「はい。俺はそろそろ病棟に戻ります。また午後に瀬堂先生が来るので。」


「椎名、ありがとうね。」



おうっと言って椎名は呼吸器内科に戻って行った。

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