恋の毒
「書かない」
その気持ちは、強すぎる言葉として出てきた。
高城君は少し驚いた顔をして、笑顔を作った。
「そっか。わかった」
人との関わり方が上手になれなかった私が悪いのだけれど、気まずい空気は耐えられなかった。
このまま、高城君が私とは話さないほうがいいと決断してくれれば、問題ないのだけど。
「じゃあもし、気が向いて書くようなことがあったら、教えてね。絶対読みたいから」
高城君は、その程度で他者との関係を切るような人ではなかったらしい。
それにしても、明るくて楽しい話なんて書く気はさらさらないけれど、また強く否定して、そんなことをする自分を嫌いになりそうだったから、私は無言を貫いた。
「鳴海さんっていつから小説を書いてるの?」
会話が、終わらない。
どうしたらこの人は会話を終わらせてくれるのだろう。
これほどに興味を持たれたことなんてないから、迷惑よりも、戸惑いが勝る。
「陽、それくらいにしておきなよ。鳴海さん、超困ってる」
すると、私の心の声を聞き取ってくれたようなタイミングで、一人の女子生徒が間に入ってきた。
彼女は高城君に気付かれないように、私を睨んできた。
その気持ちは、強すぎる言葉として出てきた。
高城君は少し驚いた顔をして、笑顔を作った。
「そっか。わかった」
人との関わり方が上手になれなかった私が悪いのだけれど、気まずい空気は耐えられなかった。
このまま、高城君が私とは話さないほうがいいと決断してくれれば、問題ないのだけど。
「じゃあもし、気が向いて書くようなことがあったら、教えてね。絶対読みたいから」
高城君は、その程度で他者との関係を切るような人ではなかったらしい。
それにしても、明るくて楽しい話なんて書く気はさらさらないけれど、また強く否定して、そんなことをする自分を嫌いになりそうだったから、私は無言を貫いた。
「鳴海さんっていつから小説を書いてるの?」
会話が、終わらない。
どうしたらこの人は会話を終わらせてくれるのだろう。
これほどに興味を持たれたことなんてないから、迷惑よりも、戸惑いが勝る。
「陽、それくらいにしておきなよ。鳴海さん、超困ってる」
すると、私の心の声を聞き取ってくれたようなタイミングで、一人の女子生徒が間に入ってきた。
彼女は高城君に気付かれないように、私を睨んできた。