【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「あら、もうこんな時間なの!?」

「明日もご予定が?」

「そうなのよ!折角、ここまで来たのに城に帰らないといけないなんて残念だわ。カトリーナ、もっとあなたと話したいわ。今度は王都に来て城に泊まっていって。もちろん、クラレンスと一緒にね」

「はい」


頷くと王妃はカトリーナの手を取って包み込むように握った。


「カトリーナ、ありがとう。あの子の側にいてくれて……」


そう言って嬉しそうに笑った王妃を見て、カトリーナも深々と頭を下げる。


「こちらこそ、クラレンス殿下や皆様には感謝してもしきれません」

「まぁまぁ……!ねぇ、ニナ。わたくしカトリーナのことをとても好きになったわ。あなたの見立てだと、あとどのくらいかしら?」

「クラレンス殿下次第かと」

「…………そう。クラレンスったら、あの人に似て奥手なんだから」


王妃はにっこりと笑うとカトリーナを優しく抱きしめて去って行った。
クラレンスと王妃を話している間、オリバーとも挨拶がてら少し話をすると、彼は興味深そうにカトリーナを見てにっこりと笑った。
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