【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「そんなことありません!王妃陛下や国王陛下にも会いに行きますから、ドレスも新調いたしませんと!ここに来た時よりも随分と健康的になりましたが、それでも少食で心配になるくらいです。クラレンス殿下、行きましょう」

「はぁ……わかった。滞在を手配してもらうように頼まなければ」

「もう頼んでありますのでご安心を」

「……………まさか」

「一週間程の滞在にしましょうね!日程の調整もバッチリです」

「……もう好きにしてくれ」


カトリーナはニナとトーマスとクラレンスと共に王都に向かうことになっていた。
そこでいつも優しくしてくれるナルティスナ邸で働いている人達やクラレンスのためになにか御礼をしたいと思っていた。
それにカトリーナはナルティスナ邸に身を置いてもらっているだけでもありがたいのに給金までもらっている。

(何か、皆様にお礼ができればいいのだけれど……)

買い物に行くと聞いて、カトリーナは今まで溜めていた給金を持って王都に出かけることを決めた。

そして王都の近くにはサシャバル伯爵家もあることを思い出す。
久しぶりにスッと肌が冷たくなる感覚がしたが、大丈夫だと言い聞かせるしかなかった。
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