【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
初めてカトリーナに会った時、頬をパンパンに腫らしていた。
髪もゴワゴワで服も汚く臭くて、母が言っていた言葉の意味を理解した。
(本当だわ……なんて穢らわしいの)
シャルルがマナーを学んでいる時には、カトリーナは埃まみれで働いている。
シャルルが可愛らしいドレスを着てお茶会に出ている時にも、カトリーナは床に這いつくばっている。
シャルルが煌びやかな会場でダンスを踊っている時も、邸ではカトリーナがご飯すら食べられずに刺繍を刺している。
同じように成長したとしても、シャルルとカトリーナは別の存在だった。
(ああ……なんで惨めなの!最高だわ)
母がカトリーナの母親を執拗に虐げていたが、その理由がわかったような気がした。
(あの子は何も持っていない。わたくしは何でも持っている……!)
抵抗もできずに嬲られている姿はシャルルの心を満たしてくれる。