【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
そしてシャルルが十六歳になった時のこと。
どうやらシャルルはパーティーでオリバーの婚約者候補で公爵令嬢であるアリーリエ・ベルに危害を加えたことで、ベル公爵の怒りを買ってしまう。
その行いをオリバーにも見られて、シャルルはパーティーで大失態を犯した。
 
ベル公爵から圧力がかかり、サシャバル伯爵家は追い詰められていく。
サシャバル伯爵夫人とシャルルは邸内で荒れており、ひどい有様だった。

サシャバル伯爵は益々、酒に溺れるようになる。
一度、泥酔したサシャバル伯爵は母の名前を呼びながらカトリーナに迫ってきたことがあった。
押し倒されそうになったカトリーナは全身にゾワリと鳥肌が立ち、サシャバル伯爵を蹴り飛ばしてから屋根裏部屋に逃げ込んだ。
その日は恐ろしくて眠れなかった。あの大きな手を思い出すたびに恐怖で震えてしまう。

次の日、サシャバル伯爵は何も覚えていないのかいつものようにカトリーナの隣を何事もなかったかのように通り過ぎていく。
カトリーナはその日からサシャバル伯爵から距離を取るようになった。

侍女達は機嫌の悪い夫人達の世話をしたくないのかカトリーナに仕事を変わって欲しいと擦り寄ってくる。
カトリーナも今はあの二人に近づきたくないと思っていたが生きていくため、仕方なく虐げられながらも二人の世話をしていた。
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