【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「カトリーナ様からもらったストールを一生、大切にしますからぁ!」
「そ、そんなに大したものでは……!」
「いいえ!わたしはカトリーナ様の気持ちが嬉しいのです」
そのままニナと話しながらゆっくりと部屋で過ごさせてもらい、休息を取ったカトリーナは皆のおかげで次の日には体調が戻っていた。
そしてニナと共に謁見の準備を行う。
はじめてドレスを着たカトリーナは暫く放心状態だった。
ニナが「美しすぎます……!」と興奮気味に言っている。
クラレンスも「綺麗だ」と言ってくれたことにカトリーナは嬉しくて頬を染めた。
二人で顔を真っ赤にして口ごもりながら国王達の元へ挨拶に向かった。
震える手でドレスの裾を持って挨拶をしたカトリーナに対して国王、王妃、オリバーは笑顔で迎えてくれた。
「カトリーナ、よくきてくれた」
「ありがとうございます。国王陛下」
国王の声にカトリーナはピンと背筋を伸ばした。
「正式の場ではない。普段通りでよい」
「そうだよ。リラックスして」
カトリーナは国王とオリバーの声にこわばっていた体の力を抜いた。
「まぁ……!今日も可愛いわね、カトリーナ」
「王妃陛下……お久しぶりです!」