【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで

どうやら母も同じ考えだったらしい。
カトリーナの仕事の邪魔して、クビになるように仕向ける。
行く場所がなくなったカトリーナをサシャバル伯爵邸に連れ戻せばいい。
しかしカトリーナはあろうことかシャルル達に歯向かってきたのだ。

生意気なカトリーナに仕置きをしようとすると、店内は凍えてしまいそうなほどに冷たくなっていく。
カトリーナを掴んでいた手が氷漬けになって、シャルルはパニックになっていた。
何が起きたかわからないままシャルルは母に助けを求めるが無視されてしまう。

なんとかテーブルに氷を叩きつけて割ったが、肌は引き裂かれるようにビリビリと痛んだ。

(なに!? 何が起こったの……?)

この不思議な力をシャルルは何度か目にしたことがある。
第二王子であるオリバーが炎の魔法を使っている姿と重なった。

そして真っ白な肌に空色の髪は今まで見たことがないほどに美しく神々しい。
ディープブルーの瞳は鋭くこちらを睨みつけている。
その瞬間、シャルルの胸が大きく高鳴った。
運命の相手がシャルルの前に現れたのだと思った。

(なんて……っ、なんて美しい人なの!)
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