【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜
24_素敵な誕生日
デートに出かけてから一ヶ月が経った。エルヴィアナの体調も良くなり、来週から学園に復学することになっている。
今日はルーズヴァイン公爵邸にエルヴィアナが遊びに来る日だった。二人でまったり過ごすのを楽しみにしていたのだが……。
「やあ。今日はお招きいただきどうも」
「君を呼んだ覚えはないが」
「わ。露骨に嫌そうなカオ」
なぜかエルヴィアナの他に、ルイスもリジーまで着いて来ていた。招いた覚えはないのに。するとエルヴィアナが申し訳なさそうに謝ってきた。
「ごめんなさい、クラウス様。みんないた方が賑やかで楽しいと思って」
彼女に悲しい顔をさせてしまうとはなんという不覚。エルヴィアナがクラウスを思ってしてくれたことなら、先に言ってほしかった。知っていたら迷惑そうな反応は決してしなかったのに。
「謝らなくていい。とても嬉しく思う。むしろ大歓迎だ」
エルヴィアナはよかったと息を吐いた。
「さ、邪魔するよ」
ルイスは他人の屋敷にずかずかと上がり込み、我がもの顔で先に行ってしまった。昔から彼とは気の置けない友人だが、彼はクラウスに対して遠慮がないところがある。
するも、少し歩いた先で立ち止まり、こちらを振り返った。
「――で。君の部屋はどこ?」
「教えるか。応接室はこっちだ」
私室に入れさせたら、いたずら好きのルイスは何をしでかすか分からない。それに、私室にはエルヴィアナさえ一度も入れたことがない。一応いつも綺麗にしてはいるものの、生活空間に彼女を入れて、センスがないと幻滅されたりしたら嫌だ。
すると、エルヴィアナがクラウスの裾を摘んで言った。