【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜
「別に、あなたが謝ることではないわ」
「そうか。ありがとう」
お礼なんて言わないでほしい。安心したように頬を緩めるクラウスを見て、罪悪感がずしんと心にのしかかった。
「一つ訊ねたい」
「何?」
突然彼が歩みを止めて、こちらを見下ろす。
「……君は、あの男たちといるのが本当は嫌なんじゃないか?」
「!」
「いつも迷惑そうにしていただろう。……今までは君が他の奴といるのが辛くて直視できなかったが、最近君のことを観察して気づいた。彼らといるとき、君は少しも笑っていない」
(今までは君が他の奴らといるのが辛くて直視できなかった?)
それは、魅了魔法にかかる前のことだろうか。この発言も気になるが、取り巻きといることを迷惑がっているのがバレるのはマズい。一応、表面上は悪女として振る舞わなくては。