【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜


「……そうよ。魔法なんて、おとぎ話みたいなものよ」
「ああ。それに君は、もし魔法が使えるなら、婚約者である俺に話してくれるだろうからな」

 それは妙に含みのある言い方で。エルヴィアナの心の内を探るような、試すような目つきに、喉の奥がぐっと鳴る。

(話題を変えなきゃ)

 このままではボロが出てしまう。クラウスの前だと調子が狂って平静でいられない。墓穴を掘る前に、何か別の話題を。焦っていたら、また核心を突いた質問をされる。

「――エリィ。俺に何か隠していることはないか?」

 そのとき、ドキッと心臓が跳ねる。エルヴィアナは自分の髪を一束すくい上げて弄びながら、「ないわ」と答えた。
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