【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜
顔を赤くしながら俯くと、「照れた顔も好きだ」と畳み掛けられる。聞いてもいないのに次々と甘い言葉を囁く口に、りんごをひと口押し込んだ。
「……んんぐん(訳:大好きだ)」
りんごを咀嚼しながらまだ愛を語ろうとするクラウス。もうこっちはお腹いっぱいだ。
「はいはい」
やっぱり魅了魔法は恐ろしい。寡黙で自分のことを語ろうとしなかったクラウスが、隙あらば愛を告げてくるのだから。でもそれが、魅了魔法の力に後押しされて引き出された彼の本心だと思うと、ますます恥ずかしくなる。
「いつから……? いつからわたしのことが好きなの?」
上目がちに尋ねると、クラウスはりんごを飲み込んでから答えた。
「アカデミーに入ったころだ」
王立学園に入る前、エルヴィアナとクラウスは初等教育機関のアカデミーに通っていた。アカデミーに入った年齢でいえば、七歳かそこらの話だ。
(そんなに前から……)
「どこを……好きになったの?」