【コミカライズ】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか? 〜破局寸前で魅了魔法をかけてしまい、わたしのことが嫌いなはずの婚約者が溺愛してくる〜


 エルヴィアナはクラウスの袖を摘んで言った。

「――んで」
「なんだ?」

 小声すぎたせいで、クラウスに聞き返される。エルヴィアナは顔を見上げた。

「エリィって呼んでほしい。今までみたいに」

 愛称呼びだと、親しみを感じられる。少しだけ照れくさいけれど。クラウスはまた、甘ったるい笑顔を浮かべながら言った。

「――エリィ」

 その直後、大きな体に優しく抱き締められていた。エルヴィアナもその背に腕を回した。
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