交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
だって、ここからも見えるほど大きな建物で、彼が指さす先にあるビルは、名刺に書かれた通り大手の食品系の企業なのだ。
『深山グループ』、誰もが1度は聞いたことがある社名だ。
テレビCMもよく流れている。
最初に会った時も今日も、ナチュラルに垣間見える育ちの良さに納得すると同時に、そんな方が定食屋の小娘になんの用かとますます分からなくなった。
名刺から顔を上げ、深山さんを見ると、切れ長の瞳がまっすぐに私を捉えていた。
そして形のいい薄めの唇が開く。
「古嵐さん。急な話ですが、俺と結婚してくれませんか」
「けっ、え、?」
『深山グループ』、誰もが1度は聞いたことがある社名だ。
テレビCMもよく流れている。
最初に会った時も今日も、ナチュラルに垣間見える育ちの良さに納得すると同時に、そんな方が定食屋の小娘になんの用かとますます分からなくなった。
名刺から顔を上げ、深山さんを見ると、切れ長の瞳がまっすぐに私を捉えていた。
そして形のいい薄めの唇が開く。
「古嵐さん。急な話ですが、俺と結婚してくれませんか」
「けっ、え、?」