交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「…帰ってきてくれるか?」

「当たり前です。私の家は、もうあの部屋だから。…というか、もともと今日は帰るつもりだったのに、一織さんったら朝から迎えに来ちゃって。心配性ですね」

ふふっと小梅が笑うから、息がかかってくすぐったい。

「妻が実家に帰るなんて、余程のことだろう」

「そういうもんですか?」

「そういうもんだ」

くすっと笑って、どちらからともなく目線を合わせ、触れるだけのキスをする。

「今は、これで我慢な。もう一回、なんて言っても答えてやれないぞ」

「わ、分かってますよ! 掘り起こさないでください〜!」

ぽかぽかと胸を叩いてくるが、ちっともダメージを受けない俺に小梅がむっとした顔をする。

「一織さんも、10時のおやつ食べますか?」

拗ねたまま言うから、言っていることと表情が合っていなさすぎてぷはっと吹き出す。
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