交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「一織さんの分は持って帰ろうと思ってたんですけど、せっかくだから皆で食べたいなって」

「俺の分もあるのか? 俺と顔も合わせたくなかったのにか」

「だって、一織さんプリン好きだし…」

本当に、小梅は素直で可愛い。俺が嫌で家を出たのに、俺の好きなものを買ってしまうなんて。

「小梅は俺のこと好きすぎだろ」

にっと笑って意地悪に言うと、小梅はきっと俺を睨みつける。
小動物が威嚇しているみたいで、ちっとも怖くないのだから面白い。

「そう言う一織さんだって、朝から実家まで来ちゃうくらい私のこと好きなくせに」

「‎まあな。愛する妻に会いたくて仕方なかったんだよ」

自分で煽ったくせに、小梅は真っ赤になった。
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