交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「もう!お父さんもお母さんも、あんまり一織さんを振り回さないでよ。一織さんも、無理して合わせなくて良いんですからね?」

「全然。俺も、お義父さんとお義母さんと仲良くさせてもらって嬉しいよ」

生まれ育った家庭には無かった、新鮮な雰囲気だから。
小梅が俺の両親と会って、どう思うだろうか。
企業の重役として長年会社を引っ張ってきた彼らは、淡々としていて一緒にいると接待でもしている気分だ。

明るく優しい小梅のことだから、そんな両親とも上手くやっていこうと頑張ってくれるだろうが、俺は無理して関係を保持しなくても構わないと思っている。
現に、実の息子である俺も、会うのは正月に親戚の集まりで顔を見せる程度だ。

俺はどんな時でも、小梅の笑顔を最優先にしたい。
家族であり恋人であり、世界で一番、大切な人だから。




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