交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~



「い、いいい今なんて!?」

平日のランチタイム、務めているクリニックにほど近いイタリアンのお店に、筧さんの悲鳴にも似たリアクションが響く。

「だから、夫を誘惑する方法を教えてほしいんです!」

「こ、小梅ちゃん?? どうしたの、何かあった…?」

そ、そんなに変なこと聞いたかな…?私は小声で筧さんに相談をもちかけた経緯を話す。

「…まぁまぁ、それはまた、紳士な旦那さんなのね。でも、小梅ちゃんにはそれが物足りない、と」

なんだか随分と大胆な女だと思われている気がするけれど…うん、まぁ細かいことはいいか。
結婚6年目を迎えた今でも旦那さんと仲が良い筧さんなら、何かアドバイスをもらえると思うんだよね。

「そうだなぁ、やっぱりまずは、下着とパジャマじゃない? ほら、際どいやつよ」

「き、際どい…! た、例えばどんな…?」

私が身を乗り出して聞くので、筧さんがあははと笑って言う。
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