交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「…小梅、ボタン外れてる」

言いながら、すっと彼の手が私の胸元に伸びてきた。そのまましっかりとボタンを留められてしまい、なんとも複雑な気持ちになる。

「ありがとう、ございます…」

外れてたんじゃなくて、外しておいたんだけどな。なんて言えない。
俯いていると、ちゅっと軽いリップ音が響く。
顔を上げると、すかさず唇にもキスが降ってきた。

「寝ようか」

「はい…」

一織さん、私の下着、見たよね?
見たのに、ご丁寧にボタンを留めてくれておしまいなの?

やっぱり、このままじゃ引けない…!

「一織さん!!」

腰を上げかけた彼の裾を引っ張って呼び止めると、彼は少し驚いたように振り返る。

「なんだ? 急にどうし――」

「一織さんは、どんな下着が好きなんですか…!」

しばらくの静寂を破ったのは、「は…!?」という一織さんの酷く焦った声だ。
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