交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
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「…つまり、利害が一致するから結婚をしよう、と」
深山さんが提案したのは、互いに利益のある結婚。いわば契約的な結婚だった。
深山さんは、結婚すれば妻の実家ということで、古嵐食堂について全面的に支援すると。抱えている借金を肩代わりし、店が落ち着くまで多方面からサポートをすると言った。
一方深山さん側のいちばんのメリットは、妻帯者になるということ。
社長職に就いていると、何かと結婚を急かされるらしい。今まで親戚という親戚から数多の見合いを勧められたものの、そもそも乗り気ではないのに加え持ち前の無愛想さでうまくいくものもいかず、断ったり断られたりを繰り返してきたという。