交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「そんなふうにお誘いを受けてしまったら行かないわけにはいかないわね。ねぇ、洋一さん」

「ああ。今度ふたりでお邪魔させてもらおう」

「飲食店だからと偵察しようなんて思わないでくださいね」

口を挟んだ一織さんのなんとも刺々しい言葉に内心苦笑する。

「何を言う。私は公私混同するような人間ではないとおまえはよく知っているだろう」

しん、と静まり返るハイクラスの個室。ダメだ、こんな緊張しきった雰囲気では関係修復どころではない。
まずは、空気を柔らかくしなきゃ…

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