交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~

そうして会席料理の甘味が運ばれてくる頃には、最初に比べたら幾分か打ち解けられた、と思いたい。
途中、何度か一織さんの鋭い一言にピリリと空気が張り詰めたけれどね。

「小梅さん、この栗を使ったスイーツ、とても美味しいわよ」

「本当ですか? …わ、ほんとだ美味しい!」

私とお義母様はお料理を堪能する。相変わらず表情の変化はあまりないけれど、声色が優しいし、お義母様の方からも話を降ってくださるから怖くないんだよね。

あ、みかんも美味しい…

なんて舌鼓を打っていると、聞き馴染みのある着信音が聞こえてきた。
一織さんの会社用のスマホだ。
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