交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~


「ふーん、通りで今日は仕事の効率が違うと思いました。奥さんと約束があるんですね」

「おまえも無駄口を叩いてないで手を動かせ」

脇目も振らずパソコンに向かい合う俺を上から見下ろし、ひとりでうんうん頷くのは、高校の同級生でもある秘書の新田だ。

「はいはい。 あ、そうだ。そういえばですね、本日の午後十三時から社長に話があると、丸山商事のご令嬢からアポイントがありました」

「用件はなんだ」

「それが、直接話したいからって教えてくれなくて」

「丸山は娘に礼儀というものを教えてこなかったのか」

「俺に言われても〜」
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