交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
丸山商事とは祖父が社長だった時代からのビジネスパートナーだ。丸山の令嬢は副社長の座に就いている。

会う約束だけ取り付けておいて何のつもりだろうか。直近でやり取りが必要になりそうな案件はない。だが、無下にもできないのだ。

新田に当たるのはやめて、応接室を押さえておくように指示をした。



約束の時間、応接室に入ると、丸山商事の副社長、丸山麗奈(れな)が俺を見上げる。

「こんにちは。突然来てしまってすみません」

副社長は丁寧に腰を折るが、その自信に満ちた表情は少しも悪びれる様子がない。

「丸山副社長、構いません。 どういったご要件でしょう」
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