交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
向かいに腰を下ろした俺に倣って、彼女も再度座った。

「そんなにお急ぎにならなくてもいいじゃありませんか? この後は特に予定はないと聞いています。ゆっくりお話しま…――」

「予定はなくても仕事はあります。ビジネスの話をしに来られたのではないのですか?」

この女は一体なんの用があって俺を尋ねたのか。嫌な予感がしていた。副社長が俺を見る目が、ビジネスの場におけるものではないのだ。
ソファに身を沈め、優雅にお茶を啜る彼女は俺と茶会でもするつもりなのか?
生憎、ビジネスパートナーと暇のひとときを過ごす趣味はない。

そんなことをするくらいならさっさと家に帰って小梅に会いたいんだ。
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