交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
今度は簡単には殴られたりしてやらず、狭い廊下で拳を躱し続ける。この状況なら正当防衛にもなるだろうが、丸山は先程から懐のスマホをチラチラと気にしている。恐らく録画でもしているのだろう。都合のいいところだけを切り取って使われたらこちらの不利になるのは明らかだ。
それにしても、最初に俺に薬を吸わせようとしたやつが動かないのを不思議に思って一瞥すると、表情を強ばらせ固まっていた。
怯えているようにも見えるので、こっちは暴力には慣れていないようだ。俺にあっさり躱され抑えられたのもあるだろう。
正直2人がかりで来られたら無事ではいられなかっただろうし助かった。そのまま放心していてくれ、なんて願いは虚しく。
「ちょっと、あんたもへたりこんでないで協力しなさいよ!」
「で、でもっ! やっぱりこんな、危ないことは辞めた方が――っ」
「は? 何を今更。怖気付いたわけ? ほんっとに使えない。もういい、私がやるから貸しなさい!」
おいおい、マジかよ。自らの手は汚さずに他人を使うスタイルかと思ったら、俺に殴り蹴りをし続ける男に今度は羽交い締めにされた。
全ての攻撃を躱しきることはできず、受身を取ったとはいえ食らった衝撃で咳が零れた。
それにしても、最初に俺に薬を吸わせようとしたやつが動かないのを不思議に思って一瞥すると、表情を強ばらせ固まっていた。
怯えているようにも見えるので、こっちは暴力には慣れていないようだ。俺にあっさり躱され抑えられたのもあるだろう。
正直2人がかりで来られたら無事ではいられなかっただろうし助かった。そのまま放心していてくれ、なんて願いは虚しく。
「ちょっと、あんたもへたりこんでないで協力しなさいよ!」
「で、でもっ! やっぱりこんな、危ないことは辞めた方が――っ」
「は? 何を今更。怖気付いたわけ? ほんっとに使えない。もういい、私がやるから貸しなさい!」
おいおい、マジかよ。自らの手は汚さずに他人を使うスタイルかと思ったら、俺に殴り蹴りをし続ける男に今度は羽交い締めにされた。
全ての攻撃を躱しきることはできず、受身を取ったとはいえ食らった衝撃で咳が零れた。