交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~




仕事を終えてすぐ、メッセージを見た。

『今から丸山副社長と二人で話してくる』

簡潔な文面と一緒に、一織さんの会社近くのホテルの住所が送られてきていた。
二人きりでなんて大丈夫なのだろうか。相手は一織さんが離婚することを望んでいて、積極的にアプローチをかけているよう。
そのやり方が決して可愛いものとは言えなくて、一織さんは頭を抱えていた。

ホテルの場所を私に知らせのは、私にあらぬ誤解をさせないためだったのだろう。
片方は嫌々だとしても、男女がホテルの密室で話し合い。内容がどうあれ見方によっては変な噂が広まるかもしれない。
でも、私が心配しているのは浮気やなんやじゃなくて、一織さんに危害が加えられないかだった。

とはいえ、ビジネスの話もするだろう局面にいくらなんでも押しかけるのは如何なもので、私は大人しく夕食の準備をして待っていようと決めた。
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