交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
今日のメニューはおでんだ。実家である古嵐定食では冬限定でおでんがメニューに加わる。そのお出汁が私は好きなので、出汁のもとをもらいに実家に寄るつもりだった。
結婚してからは両親が遠慮するので定食屋の手伝いの頻度が減った。その分一織さんとの新婚生活も充実してしているし寂しくなったりはしないけれど、やはり生まれ育った家というのは言い知れぬ安心感がある。
「小梅、おかえり。お出汁、そこに置いておいたわよ」
「ただいま。ありがとう、お母さん」
まだ定食屋の営業時間ということもあり、お店の厨房に顔を出すと母が気づいて声をかける。父は今は表に出ているようだ。
「一織くんとまた喧嘩したりしてない?」
「うん。大丈夫だよ。お互い言いたいことは言い合うようにしようって話して、夫婦仲良くやってます」
母は揚げ物から目を離さずに、そう、と安心したように笑う。
お店も忙しいみたいだしあまり長居せず今度また改めて両親には会いに来ることにして母に声をかけようとした時。ふと、厨房と自宅を繋ぐ廊下の戸棚上にある小さなカードが目に入る。
結婚してからは両親が遠慮するので定食屋の手伝いの頻度が減った。その分一織さんとの新婚生活も充実してしているし寂しくなったりはしないけれど、やはり生まれ育った家というのは言い知れぬ安心感がある。
「小梅、おかえり。お出汁、そこに置いておいたわよ」
「ただいま。ありがとう、お母さん」
まだ定食屋の営業時間ということもあり、お店の厨房に顔を出すと母が気づいて声をかける。父は今は表に出ているようだ。
「一織くんとまた喧嘩したりしてない?」
「うん。大丈夫だよ。お互い言いたいことは言い合うようにしようって話して、夫婦仲良くやってます」
母は揚げ物から目を離さずに、そう、と安心したように笑う。
お店も忙しいみたいだしあまり長居せず今度また改めて両親には会いに来ることにして母に声をかけようとした時。ふと、厨房と自宅を繋ぐ廊下の戸棚上にある小さなカードが目に入る。