交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
家庭のような暖かい食事が食べられる飲食店を経営するのが昔からの夢だった父と母によって、今からおよそ30年ほど前に看板を上げたのが『古嵐定食』だ。私はそこのひとり娘、古嵐小梅(こうめ)として生まれ育った。
物心着く頃には店頭に立ち、手伝いをしてきた身としては、余裕があるわけではなくても、お客さんに愛されおかげさまで繁盛してきた古嵐定食を、どうにか残したい。
ここからほど近いクリニックの事務職に就職してからは休日しか来られていないが、ここでの思い出はどれも大切なものばかりだ。
父も母も私の前では言わないけれど、ずっとふたりでやってきた大切なお店で初めて雇ったアルバイトのしでかしたことに、ショックは大きいだろう。
お客さんは相変わらず来てくれるが、盗られた分のマイナスを取り返すには十分とは言えなかった。
私も何度か一緒に働くこともあったアルバイトの子のことを思い出して憂鬱になってきたところで、思考を追い出すように深呼吸をする。
物心着く頃には店頭に立ち、手伝いをしてきた身としては、余裕があるわけではなくても、お客さんに愛されおかげさまで繁盛してきた古嵐定食を、どうにか残したい。
ここからほど近いクリニックの事務職に就職してからは休日しか来られていないが、ここでの思い出はどれも大切なものばかりだ。
父も母も私の前では言わないけれど、ずっとふたりでやってきた大切なお店で初めて雇ったアルバイトのしでかしたことに、ショックは大きいだろう。
お客さんは相変わらず来てくれるが、盗られた分のマイナスを取り返すには十分とは言えなかった。
私も何度か一緒に働くこともあったアルバイトの子のことを思い出して憂鬱になってきたところで、思考を追い出すように深呼吸をする。