交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「えぇっと、て、手を繋ぐとか、ハグをする、とか、?」
「ずいぶんと可愛らしい羽目の外し方なんだな。 だが、そうだな。やってみるか?」
カッターの刃をしまうと、彼は私を見つめてにやりと口角を上げる。
いじわるな笑顔は、恋愛慣れしていない私をからかっているようだ。
「えっ!? い、今ですか!」
「ほら、こっちおいで」
あぐらをかいて床に座ったまま、両手を広げて優しい声色で誘われる。
私は持っていた発泡スチロールを置き、そろりと彼に近づく。
控えめに手を伸ばせば、くいっと引き寄せられてぽすんと彼の胸に収まってしまった。
とくとくと聞こえる心音は、どっちのものだろう。
「一織さん、いまドキドキしてますか?」
「…まあな」
素直に返ってきた低い声が耳に直接響いて伝わる。
どんな顔をしているかは見えないけれど、少し照れているのかな、と思うと可愛い。
男性に対してこんな感情になるのは初めてで、くすぐったくて笑みがこぼれる。
「ふふ。私も、です」
どちらからともなくそっと体を離すと、一織さんがいつものクールな声で言う。
「ほら、早くベッドを使えるようにするぞ」
「はい!」
ちらりと見えた耳がほんのり赤く染っていたのは、見なかったことにしてあげますね。
「ずいぶんと可愛らしい羽目の外し方なんだな。 だが、そうだな。やってみるか?」
カッターの刃をしまうと、彼は私を見つめてにやりと口角を上げる。
いじわるな笑顔は、恋愛慣れしていない私をからかっているようだ。
「えっ!? い、今ですか!」
「ほら、こっちおいで」
あぐらをかいて床に座ったまま、両手を広げて優しい声色で誘われる。
私は持っていた発泡スチロールを置き、そろりと彼に近づく。
控えめに手を伸ばせば、くいっと引き寄せられてぽすんと彼の胸に収まってしまった。
とくとくと聞こえる心音は、どっちのものだろう。
「一織さん、いまドキドキしてますか?」
「…まあな」
素直に返ってきた低い声が耳に直接響いて伝わる。
どんな顔をしているかは見えないけれど、少し照れているのかな、と思うと可愛い。
男性に対してこんな感情になるのは初めてで、くすぐったくて笑みがこぼれる。
「ふふ。私も、です」
どちらからともなくそっと体を離すと、一織さんがいつものクールな声で言う。
「ほら、早くベッドを使えるようにするぞ」
「はい!」
ちらりと見えた耳がほんのり赤く染っていたのは、見なかったことにしてあげますね。