交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「お邪魔しまーす! 小梅さん、ずっお会いたかったんですよー!一織のやつ、照れ屋だからさ。全然奥さんの話してくんないの」
「別に照れてない」
不満げに言う椎名さんをリビングのソファに促しつつ、すぱっと言い切る一織さん。
「嘘つけ! 俺は知ってるんだからな。おまえが小梅ちゃんの写真を熱心に見てると思ったら、『ふっ』って、それはもう世界平和が実現するレベルに優しい顔で笑ってたこと!」
「え、?」
「は、おまえ何言って」
私と一織さんの声が重なって、彼がばっとこちらを見た。思いもよらないタレコミに、私もお茶を注ぐ手を止めて顔を上げる。