交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「そ、それって、私の実家に、挨拶に来た日、ですよね」

「あ、あぁ。ほんとにごめん。勝手に…」

一瞬手を止めた一織さんが、また写真を削除しようと手を動かす。

「待って!」

私はキッチンから出て一織さんの腕を掴む。

「消さないで…ください。きもくないです。全然。むしろ嬉しい、というか、私がいないところでも、私のこと、思い出してくれてるのが……それと、それでいうと私も同罪と言いますか…」

「え?」

椎名さんが口を挟まないのをいい事に、私は思い切って自分の写真フォルダーを一織さんに見せた。

「これ、」

「そうです。私もあの日、お父さんたちと楽しそうにお酒を飲む一織さんを、撮りたくなって、それで…」

「おいおい俺がいるんだぞ、イチャつくな…」

「きもいのは私もなんです!だから、消さなくても、いい、です…」

「きもくない。 小梅、」
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