交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「筧さん、おはようございます!」

「もー、急に結婚するって連絡もらってびっくりしたよ。お互い一目惚れから始まるとか、こっちまでドキドキしたわ」

「そんなこと言って、筧さんも旦那さんに一目惚れされたって言ってたじゃないですか〜」

あははと明るく笑う筧さんには、彼氏はいなかったことがバレているので、一目惚れということで話している。

実際は、ビジネスのために結婚したかった一織さんに人柄を見初められて、実家の定食屋を助けてもらうのを条件にした契約結婚も良いとこだ。

だけど、これから本物の夫婦になるために努力すると決めてから、ひょんなことから同じベッドで寝ることになったりデートに行ったりと、予想外に距離が縮まるのが早い。

恋愛結婚をした夫婦の新婚生活とは違うにしても、言ってしまえばわたしたちは恋をしようとしているわけで…。

…というか、この前約束したグランピングってお泊まり、なんだよね。

興味があると言ったら一織さんが行こうと誘ってくれて、それは当たり前に1泊2日のプランで……いいんだけど、いいんだけど、同じ部屋で生活しているだけでもお風呂上がりの一織さんが暑いからと上裸で出てきたりして心臓がバクバクなのに、いつもとは違う雰囲気の場所で1日中一織さんと一緒なんて、私の心臓耐えられるかな!?
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