交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
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17時半頃に仕事を終えて帰宅すると、既に大きな革靴が玄関にあった。
一織さんが帰っているのだろう。いつもよりもだいぶ早い帰宅に少し驚きつつ、リビングのドアを開けた。
「ただいまぁ」
「おかえり、小梅」
ソファに座っていた一織さんが立ち上がって、羽織っていたカーディガンを受け取ってくれる。
「ありがとうございます。お腹空いてますか?急いで夜ご飯作りますね!」
「あぁ、それならカレーを作ったから、小梅は座ってろ。疲れているだろう?いつもこの時間から夕飯を用意してくれているんだな」
一織さんは半ば強引に私をソファに座らせた。
労ってくれているのだろうか。私より、一織さんのお仕事の方が大変だろうし、たまに帰りが早かった時くらいゆっくりしていてくれてもいいのに。