交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「小梅も身につけるものなんだから、小梅が気に入ったものじゃないと駄目だろう。男として、人に言われるまで一生に一度の結婚指輪を忘れていた時点で締りがないというのに」
なるほど。一織さんにとっては相当ショックだったようだ。結婚相手に指輪を贈っていなかったことが。
私は気にしないのになぁ。
「でも、私本当に嬉しいですよ? これもとても綺麗で可愛いし、私にはもったいないくらい」
「そんなことない。だが小梅にはもっと似合うものがあるだろう。結婚式もすぐには挙げられないんだ。せめて結婚指輪は、小梅に一番似合うものを付けていてほしい。俺のわがまま、聞いてくれないか?」
うぅ…こんなとこで財閥御曹司の財力見せなくてもいいんですよ、一織さん。
そんなふうに言われたら、頷かざるを得ないじゃない。
「…分かりました」
「良かった。次の休みに見に行こう。それまでは、それをしておいて。小梅は俺の妻だって証。仮だけど」
「はい。仕事中はネックレスにして、大事にしますね」
そこまで引きずらなくても、と苦笑しつつ、彼の気持ちが嬉しかった。
私は一織さんの妻。それを形で示してくれたのだ。
途端に、全身がかっと熱くなる。
「…飯にするか」
「そ、そうしましょう!」
どことなく漂うくすぐったい雰囲気に耐えかねて、私たちはそそくさと夕飯の支度を始めた。
なるほど。一織さんにとっては相当ショックだったようだ。結婚相手に指輪を贈っていなかったことが。
私は気にしないのになぁ。
「でも、私本当に嬉しいですよ? これもとても綺麗で可愛いし、私にはもったいないくらい」
「そんなことない。だが小梅にはもっと似合うものがあるだろう。結婚式もすぐには挙げられないんだ。せめて結婚指輪は、小梅に一番似合うものを付けていてほしい。俺のわがまま、聞いてくれないか?」
うぅ…こんなとこで財閥御曹司の財力見せなくてもいいんですよ、一織さん。
そんなふうに言われたら、頷かざるを得ないじゃない。
「…分かりました」
「良かった。次の休みに見に行こう。それまでは、それをしておいて。小梅は俺の妻だって証。仮だけど」
「はい。仕事中はネックレスにして、大事にしますね」
そこまで引きずらなくても、と苦笑しつつ、彼の気持ちが嬉しかった。
私は一織さんの妻。それを形で示してくれたのだ。
途端に、全身がかっと熱くなる。
「…飯にするか」
「そ、そうしましょう!」
どことなく漂うくすぐったい雰囲気に耐えかねて、私たちはそそくさと夕飯の支度を始めた。