交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~
「一織さん。今日、とっても楽しかったです。こんな素敵な場所に一織さんと一緒に来られて嬉しい」

夜景の反射を灯した黒いまんまるとした瞳に見つめられ、心臓が早鐘を打つ。
気づいたら、華奢な彼女の体を引き寄せ自分の胸に抱いていた。

「俺も、小梅と一緒だから全てが楽しかった。何をするにも、もう小梅無しでは考えられない」

「一織さ、…」

「もう少しこのままでいてくれ」

ぎゅっと彼女に回した腕に力を込めたら、そっと背に手を回される。
今の俺の顔は、情けなくて小梅には見せられない。
こんな感情になったのは初めてで、小梅が愛おしくておかしくなりそうだった。
そんな欲にまみれた表情を見せて彼女に引かれたくない。
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